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個人アプリ開発者 — きまいら

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AIでアプリは作れる。でも「責任」は肩代わりしてくれない――個人開発1年目の本音

開発ブログ (制作過程、学び)
この記事は約6分で読めます。

「もうエンジニアいらない」と言われた日

「AIがあれば、もうエンジニアはいらないよね」

2024年のある日、そんな言葉を何気なく聞きました。確かに、ChatGPTやClaude、GitHub Copilotといったツールの進化はすさまじい。コードを書かせれば秒で出してくれるし、エラーも教えてくれる。

「じゃあ、本当にエンジニアはいらないのか?」

その答えは、実際にAIとアプリ開発を1年やってみて、ようやく見えてきました。

結論から言います。

AIでアプリは作れます。でも、責任だけは絶対に肩代わりしてくれません。

私がAIと作った4つのアプリ

まず前提として、私は非IT業界出身です。プログラミングもほぼ独学。でも今、Flutter/Dartを使って複数のアプリを開発・公開しています。

① わりわり(酒割り計算機)

お酒の割り方を計算するシンプルなツールアプリ。広告とアフィリエイトで小さくマネタイズ中。

② すごいシンプル家計簿

ストア公開済み。完全ローカル端末保存だから、個人情報を扱わない。だからこそ、慎重なデバッグだけで公開できました。

③ つなぐToDo(開発中・申請間近)

家族や友人とタスクを共有できるアプリ。Firestoreを使い、メールアドレスなどの個人情報を扱います。技術的には完成していますが、個人情報の重さを考えて、まだ世に出せていません。

④ つぶやきの灯(ともしび)(企画中)

「書くこと自体」を大切にする文章アプリ。編集機能なし、評価なし。今、企画・設計段階です。

これらすべて、AIと一緒に作りました。

コードの大半はAIが書いてくれました。設計の相談も、AIに聞きました。

でも、ひとつだけ。

「これで公開していいか?」は、私が決めました。

AIは「書く」が、「判断する」はできない

AIとの開発で一番痛感したのは、AIは判断を代行してくれないということです。

よく「AIがバグを見つけてくれる」と言われます。

でも、これは半分正しくて、半分間違っています。

AIが見つけられるのは、エラーだけです。

  • 構文エラー
  • 型の不一致
  • 未定義の変数

こういった技術的なエラーはAIが教えてくれます。

でも、その挙動が正しいかどうかは、AIには判断できません。

なぜなら、仕様を決めたのは人間だからです。

実例:「つなぐToDo」でのバグ判定

たとえば、「つなぐToDo」の開発中。

タスクを共有する際、削除したタスクが他のユーザー側で消えない、という挙動がありました。

AIの判定:
「エラーは出ていません。正常に動作しています」

でも私は気づきました。

「いや、これは共有タスクだ。こちらで消したら、相手側にも反映されないといけない」

だから、これはバグだ。修正するべきだ。

AIにとっては、エラーが出ていないので「正常」です。でも、**仕様を決めた私にとっては「異常」**でした。

この判断ができるのは、実装を決めた人間だけです。

バグを探すのも人間です。

AIは「エラーが出ているか」は教えてくれます。でも、「これがユーザーにとって正しい挙動か」は教えてくれません。

シフト管理アプリを止めた理由

以前、介護業界向けのシフト管理アプリを作っていました。

技術的には完成していました。Webアプリとして公開もしました。

でも、開発を一時中止しました。

理由は、個人情報の重さです。

シフト管理アプリは、以下の情報を扱います。

  • 職員の氏名、連絡先
  • 勤務時間、休暇情報
  • 場合によっては給与に関わるデータ

もし、情報漏洩したら?
もし、シフトの計算ミスで誰かに迷惑をかけたら?
もし、法規制に違反していたら?

その責任を、私一人で取れるのか?

AIに聞きました。

私:「このアプリ、個人情報扱うけど大丈夫?」
AI:「セキュリティ対策としては、SSL通信、パスワードハッシュ化、アクセス制御が必要です」

私:「介護業界って法規制厳しいよね?」
AI:「介護保険法、個人情報保護法、労働基準法などが関係します。専門家への確認が推奨されます」

私:「…これ、個人開発で責任取れる?」
AI:「リスクを考慮した判断が必要です」

ここで気づきました。

AIは「できる」「できない」は教えてくれる。でも「やるべきか、やめるべきか」は教えてくれない。

最終的に、私はシフト管理アプリの開発を止めました。

その判断は、AIではなく、私がしました。

「すごいシンプル家計簿」を公開できた理由

一方で、「すごいシンプル家計簿」は公開しました。

なぜか?

完全ローカル端末保存だったからです。

  • サーバーに送信しない
  • 個人情報を扱わない
  • データは端末内だけで完結

だから、慎重なデバッグだけで公開できました。

同じ「お金を扱うアプリ」でも、

  • 個人情報を扱うか、扱わないか
  • サーバーに保存するか、ローカルだけか

この違いで、責任の重さが全く変わります。

その判断ができるのは、人間だけです。

「つなぐToDo」を出せない理由

「つなぐToDo」は、技術的には完成しています。

Firestoreで動いています。タスク共有もできています。

でも、まだ世に出していません。

なぜなら、個人情報(メールアドレス)を扱うからです。

このアプリは、私にとって個人情報を扱う訓練でもあります。

  • メールアドレスの保護は十分か?
  • 不正アクセス対策は万全か?
  • データ削除機能は正しく動くか?

技術的には動きます。でも、「これで出していい」と確信できるまで、公開しません。

申請は間近です。でも、最後のチェックは妥協しません。

その慎重さが、責任です。

AIは「最高の相棒」だが、「舵取り」はできない

誤解しないでほしいのですが、私はAIを否定していません。むしろ感謝しています。

AIがいなければ、私は今もコードを書けていなかったでしょう。

AIの役割は明確です。

AIができることAIができないこと
コードを書く「このコードで世に出していいか」を判断する
エラーを見つける「この挙動が正しいか」を判定する
仕様の選択肢を出す「どの仕様が正しいか」を責任持って選ぶ
技術的な助言をする倫理的・法的な最終判断をする

つまり、AIは部品です。優秀な道具です。でも判断者ではありません。

だからこそ、私は「AI×人間」という立ち位置を取っています。

  • AIは最高の相棒
  • でも、舵を握るのは人間
  • 最後に責任を持つのも人間

「作れる」と「出していい」は別物

AI時代で一番危険なのは、この勘違いです。

「技術的に動く = 公開していい」

違います。

アプリを世に出すということは、

  • 誰かの時間を奪う(使ってもらう以上、価値がなければ失礼)
  • 誰かのデータを預かる(個人情報、行動履歴、場合によってはお金)
  • 誰かの判断に影響を与える(計算ミス、誤情報、誤解を招く設計)

という責任を負うことです。

もし不具合があったら?
もし誤解を招く表示だったら?
もし誰かを傷つける結果になったら?

「AIが書いたコードなので」は、言い訳になりません。

公開ボタンを押したのは人間です。だから責任も人間が取る。それだけです。

これからのエンジニアに求められるもの

「AIがあればエンジニアはいらない」

この言葉は、半分正しくて、半分間違っています。

正しい部分:
単純にコードを書くだけのエンジニアは、確かに不要になるかもしれません。

間違っている部分:
でも、「何を作り、何を作らないか」を判断できる人は、これからもっと必要になります。

AIはコードを書くスピードを上げます。でも価値判断の代行はしません。

だからこそ、これから求められるのは、

  • 技術力(AIを使いこなせる)
  • +判断力(作るべきか、作らないべきかを決められる)
  • +責任感(自分の決断に責任を持てる)

こういう「考えるエンジニア」です。

AI時代だからこそ、「立ち位置」が問われる

私はこれからもAIを使い続けます。

でも、逃げ道としては使いません。

  • 「AIが書いたコードだから」という言い訳はしない
  • 「AIが提案したから」という責任転嫁もしない
  • バグを探すのは自分、仕様を決めるのも自分
  • 最後は自分で考えて、自分で決めて、自分で責任を取る

それが、私の開発スタンスです。

まとめ:AIは万能じゃない。だから面白い

AIでアプリは作れます。
でも、バグを探すのも、責任を取るのも人間です。
作れることと、出していいことは別です。
AI時代ほど「立ち位置」が重要になります。

もしあなたが、

  • 「AIでアプリ開発してみたい」
  • 「エンジニアとして転職を考えている」
  • 「AIとどう付き合えばいいか悩んでいる」

そんな状況なら、ひとつだけ覚えておいてください。

AIは道具です。使い手の責任は、使い手が取る。

それさえ忘れなければ、AIは最高の相棒になります。


📌 この記事を書いた人
IT×ライフケア/きまいら(ペンネーム)
Flutter/DartでAIと共同開発中。失敗も成功も、全部正直に書いています。

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